直流電源(シガーソケット)の注意点

気候が温かくなり、本格的な車中泊シーズンに突入してきましたが、その影響なのかシガーソケット電源に関するお問い合わせやトラブルが増えて参りましたので、今一度おさらいしておきましょう。まず、各家庭の電気には「ブレーカー」があります。部屋や場所によって電気が分散されており「許容量が決められている」のですが、これと同じ様に自動車の電気も、それぞれに許容量が振り分けられております。全車両とは言えませんが、多くの場合は純正シガーソケットには15Aと言う電流が割り当てられるのですが、これはあくまでもエンジンを始動した状態での「最大値」であり、基本的にはエンジン始動状態で安定するのは10Aまでと言われております。なぜエンジンを始動するのかと言えば、「オルタ―ネーター」と言う発電充電器の様なものがエンジンに設置してあります。エンジンが廻れば自動車バッテリーに電気を送り続けてくれますので「補充圧力」がかかり安定すると言うイメージですね。サブバッテリーやポータブル電源には、この「補充圧力」がありません。例えばバケツの底に穴が開いた状態に例えると、エンジン始動で水道から水が足されている事になりますが、補充が無いと溜まったバケツ内の水が減る一方ですよね? 簡単に言えばこの様な状況です。何度も説明している通り、DC12Vの直流電気は距離が伸びたり、分岐されるごとに「電圧や電流が減る」と言う特性があります。更にシガーソケットとシガープラグを接続する事が抵抗となり、これだけでも若干の電気ロスが生まれます。直接に繋ぐ事が一番良いのですが、電気トラブルの際に外せない事が危険となる為にこの様な仕組みを取っております。電流が少ない場合にはトラブルが発生し難いのですが、5A以上の「電流」となると家庭用電化製品(AC100V)で言えば500Wの電子レンジと同じですから電流としては小さくないと言う事がご理解頂けると思います。しかも家庭用AC電気は熱を持ちにくいですけど、直流DC電気は流れるだけで熱を持ちます。この違いも影響しておりますので直流電気はシビアなのです。正しく理解して使わないと機器の回路を破壊してしまいます。「ソケットに差さるから!」とか「形状が一緒だから!」と言って安易に使用する事はヤメた方が良いのです。大切なのは「電圧を安定させた状態で規定電流をどれだけの時間流せるか?」と言う事です。つまり、ギリギリでは無くて余裕を持って許容電流を判断する事が重要なのです。「DC12V用」とか「シガーソケット」と言う言葉だけを見て「使える!」と判断する事は間違いです。当社製品に限らずとも直流製品をお使いの際には、正しい認識を持ってご使用頂けますようにお願い申し上げます。

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